2022年11月9日、「ジャパン・アルムナイ・アワード2022」の授賞式が執りおこなわれ、受賞組織、審査員が一堂に会しました。一般のご参加を合わせて約100名の皆様にご参加いただき大盛況で幕を閉じました。

本アワードは、「企業とアルムナイの新しい関係性づくり」という観点で、日本で先駆者として取り組む人や企業・団体の事例を可視化・周知するとともに、世の中への理解を促し、人と組織の成長を目指して設立され、今年で2年目を迎えました。

授賞式当日の様子についてご紹介します。

奨励賞 表彰

惜しくもグランプリをはじめとした各賞受賞とはならなかったものの、素晴らしい取り組みが多数あり、一次審査を通過した取り組みを奨励賞として表彰いたしました。

皆様からコメントを一言ずついただきたいところではありましたが、お時間の都合上、受賞組織のお名前をご紹介いたしました。

▲奨励賞受賞組織・個人

特別賞 表彰

特別賞は、取り組みの特殊性から他の応募と比較評価することが困難でありながらも、非常に優れた取り組みで「組織とアルムナイの新しい関係」に特に評価される組織に贈られました。

昨年に続き二度目の受賞となった「とっとりプロフェッショナル人材戦略拠点」松井様からは、鳥取県内企業と大企業アルムナイの副業・兼業マッチングを支援する取り組みについてご紹介いただきました。実証実験として取り組みを始めたところ、「実績が上がってきた」と、確かな手応えを語ってくださいました。審査員からは、評価が高かった内容として「アルムナイが外部と結びつく」という独自の価値を提供している点や、副業マッチングをさらに広げるための活動が挙げられました。

▲とっとりプロフェッショナル人材戦略拠点 松井様

審査員賞 表彰

審査員賞は各審査員の独自の視点において、特に注目すべき点があった取り組みに送られました。

受賞された皆様にご登壇いただき、それぞれの取り組み内容をご紹介いただいたほか、審査員よりお祝いのコメントが贈られました。

株式会社電通コーポレートワン山田様、河内様からは、電通グループの一番の財産は人財であり、リモートワークが当たり前になった今だからこそつながりをより太くしていくことだけでなく、細くてもいいから途切れないようにするなど、つながりを価値につなげ大切にしていきたいとのコメントがありました。株式会社電通のアルムナイである大門様より、電通とアルムナイ、またはアルムナイ同士の関係を再構築する取り組みとして、アルムナイ・クロッシング(座談会)についてご紹介いただきました。審査員からは、地道な取り組みをしっかりと進めている点、ネットワークを持つだけでなく、鳥取県内での副業マッチング等、ビジネス連携に繋がっている点を評価したとのコメントが贈られました。

▼左上:株式会社電通コーポレートワン 山田様
右上:株式会社電通コーポレートワン 河内様、下:電通アルムナイ 大門様

中外製薬株式会社の山本様からは、発足から2年半が経過し、登録者が170名まで増え、4名の再雇用者を生んだ取り組みについてご紹介いただきました。中長期的に発展をさせていく上で苦心されたのは「どうすればこのネットワークを、多様な背景を持つアルムナイメンバーに魅力的に感じてもらえるか?」だったとのことです。また、現役社員とアルムナイとの交流会では、社員とアルムナイ双方にポジティブな気付きが得られた様子をお話しいただきました。審査員からは、取り組みの継続性や進化(深化)を評価したとのコメントが贈られました。

▲左上:中外製薬株式会社 山本様 、右上:中外製薬株式会社 山本様
左下:中外製薬株式会社 荒木様、右下:中外製薬株式会社 黒丸様

昨年の奨励賞から、今年の受賞に輝いた株式会社ドリームインキュベータの沼田様からは、同社の哲学・バリューである「枠を超える。」という考えとアルムナイの取り組みの親和性や、創業20周年を機にアルムナイとの関係をネットワーク化した経緯についてお話しいただきました。吉田様からは、現役社員とアルムナイの対談企画や、採用ホームページにアルムナイの活躍を掲載するなどの取り組みをご紹介いただきました。今後も「枠を超え」て仲間を集め、価値を創造していくとのことでした。審査員からは、採用の観点での思い切った活動に触れつつ、変革を恐れない企業文化が伺える取り組みであるとのコメントがありました。

▲左:株式会社ドリームインキュベータ 沼田様
 右:株式会社ドリームインキュベータ 吉田様

準グランプリ 表彰

準グランプリは具体性、継続性、独自性、展開性、社会・企業・個人への影響度において、グランプリに次いで総合的に優れた取り組みに贈られました。特別賞同様、受賞された皆様に取り組み内容をご紹介いただき、審査員よりお祝いのコメントをお贈りいたしました。

株式会社臨海の皆様より、アルムナイネットワークの取り組みやねらいについてお話しいただきました。「オフ会」や「トークルーム」といった、部活動を思わせる和気あいあいとした取り組みをご紹介いただき、アルムナイが主体となって活動している様子をお話しいただきました。また、アルムナイネットワークが再雇用や採用ブランディングに実際に役立っていること、今後それぞれの取り組みを進化させていきたいという展望をお話しいただきました。審査員からは、特に評価したポイントとして、チームワークを発揮して取り組まれている点、アルムナイのマイナスイメージ払拭と企業文化の擦り合わせについて具体的に取り組まれている点が挙げられました。

▲左上:株式会社臨海 小島様、右上:株式会社臨海 小野様
 左下:株式会社臨海 平瀬様、右下:株式会社臨海 大池様

三井住友海上火災保険株式会社の中島様からは、今年9月、保険業界で初めてアルムナイネットワーク「MSビジネスネットワーク」を立ち上げたねらいや、今後の活動の展望などをご紹介いただきました。外部で知見や経験を得た退職者の再雇用、ビジネス連携によるオープンイノベーションへの寄与、採用力の向上といったねらいを掲げ、現役社員との交流会や採用説明会への登壇など、戦略的に活動されている様子をお話しいただきました。最後に、アルムナイの取り組みを一例として人事部起点で会社のカルチャーを変革していきたいという意気込みや、のびのびと働ける環境を作るためにアルムナイの声も取り入れ、「働きたい企業ナンバー1にしたい」という力強い想いを語っていただきました。

審査員からは、経営戦略とアルムナイの取り組みの連動が明確であること、KPIを設定していることが、特に評価したポイントとして挙げられました。

▲三井住友海上火災保険株式会社 中島様

グランプリ 表彰

グランプリは具体性、継続性、独自性、展開性、社会・企業・個人への影響度において、最も優れた取り組みに贈られました。

グランプリを受賞したみずほフィナンシャルグループの皆様からお取り組みをご紹介いただき、審査員よりお祝いのコメントをお贈りいたしました。

穂苅様からは、2年前にアルムナイネットワークを設立した当初は社内にアルムナイの概念が浸透していなかったこと、そのような状況下から試行錯誤を繰り返されたご経験をお話しいただきました。2019年に策定されたみずほフィナンシャルグループの「5ヵ年経営計画」にもある「オープン&コネクト」をモットーに、組織の枠を超えて、新しい価値創造のために活動されているとのことです。また、具体的な内容として、若手社員グループとアルムナイの交流や、企業風土の改革を推進する中でアルムナイに会社のカルチャーの問題点をフィードバックしてもらうといった取り組みをご紹介いただきました。

十川様からは、多くのアルムナイがみずほフィナンシャルグループに「母校のような愛着と、古巣への期待」を寄せていること、今後もアワード受賞を追い風として、様々な取り組みを重ねていきたいとのコメントをいただきました。薄田様には、「アルムナイの活躍がみずほの誇りであるという考え方を浸透させていきたい。退職して関係が終わってしまうのではなく、その後も支え合っていきたい」という素晴らしいコメントで締め括っていただきました。

審査員からは、社内でアルムナイへの理解が浸透する前から丁寧にプロジェクトを進めてきたメンバーの苦労への労いの言葉が贈られました。

▼左上:みずほフィナンシャルグループ 穂苅様
  右上:みずほフィナンシャルグループ 十川様
 下:みずほフィナンシャルグループ 薄田様

各審査員 総評

それぞれの審査員より、ジャパン・アルムナイ・アワード2022の総評をお送りしました。コメントについては、こちらで掲載しておりますのでぜひご覧ください。

リンク:https://alumni-lab.jp/jaa2022/

後援団体からのお祝いのお言葉

ジャパン・アルムナイ・アワード開催にあたりご後援くださったピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会様、日本キャリア開発協会(JCDA)様、日本人材マネジメント協会(JSHRM)様よりご挨拶をいただきました。

二年目を迎えたジャパン・アルムナイ・アワードの取り組みや、アルムナイ文化の発展について応援いただく大変ありがたいメッセージを頂戴いたしました。本アワード開催にあたりお力添え、サポートをいただきましたこと心よりお礼申し上げます。誠にありがとうございました。

閉会挨拶

アルムナイ・アワード実行委員より、「グランプリ・準グランプリ受賞企業の皆様の対談ウェビナー」「審査員賞受賞企業の皆様と審査員の対談記事」についてお知らせしました。

▼人的資本経営のカギとなる「アルムナイ・ネットワーク」構築秘話と広がる可能性 ~ ジャパン・アルムナイ・アワード受賞企業に聞く!~

対談記事につきましては、アルムナイ研究所サイトに順次掲載いたします。

▼アルムナイ研究所

最後にアルムナイ研究所 所長 酒井より閉会のご挨拶にて閉会となりました。

ジャパン・アルムナイ・アワード開催にあたりまして、ご協力いただきました皆様へ改めてお礼申し上げます。受賞された皆様の取り組みが更なる発展をしていかれますことを祈念するとともに、このアワードの事例が、これからアルムナイの取り組みを始められる方々への背中を押すことを願いたいと思います。

受賞された皆様、改めて、おめでとうございます!

ご応募いただきました皆様にも、心から感謝申し上げます。

アルムナイ研究所は、今後も皆様のアルムナイに関する取り組みを応援してまいります。

来年のジャパン・アルムナイ・アワードでも、お取り組みの更なる進化をおうかがいできることを楽しみにしております!