ジャパン・アルムナイ・アワードとは、「組織とアルムナイの新しい関係」をつくるために、先駆者として取り組む人や組織に焦点を当て、優れた取り組みや模範となる関係性を評価し、表彰するものです。

本年度のアワード実施に向けて(概要と目的)

人材の流動化、労働人口の減少、終身雇用制度の崩壊などによって、企業と退職者が退職後も関係性を維持することの重要性が指摘されています。こうした背景のもと、近年、アルムナイとの関係構築に取り組む組織が次々と出てきています。

本アワードは「組織とアルムナイの新しい関係」をつくるために先駆的に取り組まれている人や組織の事例を可視化・周知するとともに、世の中への理解を促し人と組織の成長を目指して3年前に設立されました。

この3年間で多くのメディアに「アルムナイ」の取り組みが取り上げられることが増え、企業とアルムナイの関係にも変化が生まれ始めています。また、取り組みを継続することによって、企業はもちろん、アルムナイにとっても価値のある場が形成されつつあります。

そこで本年度は、アルムナイに取り組む上での設計、取り組みを継続する中で生まれたイノベーションや成果、その先で生まれている組織文化や風土の変革・進化に着目し、「志のデザイン」「イノベーション創出」「カルチャー変革」の3つの部門を設けました。

授賞式について

2023年10月18日14:20~16:00よりオンライン形式で執り行われます。
受賞式とグランプリ企業特別対談は「アルムナイ・カンファレンス」の中で行われます。
ご視聴はアルムナイ・カンファレンスよりお申込みください。

受賞組織・受賞者(敬称略)

多数のご応募の中から、最終審査を通過した8の取組が受賞致しました。賞の概要は以下の通りです。

・グランプリ1件
・部門別最優秀賞 7社
・部門別優秀賞 10社
・個人部門奨励賞 4名

グランプリ

アルムナイに取り組む上での設計、取り組みを継続する中で生まれたイノベーションや成果、その先で生まれている組織文化や風土の変革・進化において、総合的に最も優れた取り組みに贈られます。

みずほフィナンシャルグループ

【概要】アルムナイ・現役社員の双方にとって意義のあるネットワークで退職後の関係を維持し、「アルムナイの活躍が〈みずほ〉の誇りである」という考え方を浸透させていきたいという想いで、取り組みを続けた。
その結果、2022年のグランプリ受賞後から約4倍にネットワーク参加者が急拡大し、社内での認知や退職者の受け止め方に変化が現れている。
「転職しても前向きに繋がっていくという考え方は、昔はなかったと思うし、進化した形だと思う」などポジティブな意見が出ている。 具体的な取り組みとして、「社員×アルムナイ」の意見交換会の実施や「みずほ×アルムナイ」「アルムナイ同士」の共創にむけ、ビジネス連携・マッチングのトライアルなどが進行している。

【評価】「志のデザイン」「イノベーション創出」「カルチャー変革」の全ての切り口で評価に値する活動を推進しており、昨年のグランプリ受賞後もアルムナイの人数が4倍に増えているなど、取り組みがさらなる進化を遂げていることを高く評価。
メガバンクであるみずほフィナンシャルグループの取り組みが、「退職者は裏切り者」という日本企業的考え方の捉え方への変化を起こしており、金融業界のカルチャー変革の一手になっている。

【受賞企業コメント】このたびはこのような素晴らしい賞をいただきありがとうございます。
昨年グランプリを受賞してからの1年は、みずほアルムナイネットワークにとって大きな進化をとげた年となりました。
社内での認知度も高まったことで、各部門との密な連携が実現し、人事担当以外のメンバーとともに、ビジネス連携などの新しい取り組みにも挑戦できるようになりました。また、ネットワークを支えるアルムナイサポーターをはじめ、アルムナイのみなさんとの接点も格段に増加しています。 今回の2年連続受賞は、これらの継続的な取り組みが認められた証として、私たちにとっても非常に意義深いものであると考えています。
今年もこのような素晴らしい賞をいただけたことを糧にして、「アルムナイ」との新たな価値の創造をより積極的に推進するとともに、他社のご担当者様とも意見交換させていただきながら、日本における企業とアルムナイのよりよい関係性構築に微力ながら貢献していきたいと考えております。

部門別最優秀賞:志のデザイン部門

企業や団体の経営方針や人事戦略とアルムナイの取り組みへの繋がり、これまでのアルムナイネットワークにはない、パーパスやビジョンを掲げて取り組んでいる企業を表彰します。

日揮ホールディングス株式会社 JGC- Connected

【概要】日揮を“母校のようにしたい”という想いから、組織的な繋がりを構築するべく、CHRO・人事部長の協力を得て有志でアルムナイコミュニティを結成した。企業として短期的な出戻りや協創を求めず、長期的な関係づくりに主眼を置き、緩く長く、継続して取り組んでいることが特徴。
具体的な取り組みとしては今年で5回目となる創立記念日のOBOG交流会(Echo-Day)の開催や、ニュースリリース以上の情報共有・アルムナイの活躍記事共有・再入社社員やCVCのインタビュー記事などアルムナイが興味を引いてくれるような情報共有を継続している。

【評価】取り組みを始めてから3年、立ち上げの想いをぶらさずに継続しており、結果的に地道に結果に繋げている。
アルムナイに取り組む想いと、有志で取り組んでいることまでのストーリーが合致しており、まさに「志のデザイン」を体現している。

【受賞企業コメント】この度は志のデザイン部門最優秀賞という素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。当社の人財は全員が地球規模の課題を解決するプロ集団であると自負しています。
それは、当社を離れたアルムナイの皆様も全く同じです。同じ志を持つものとして、同じ釜の飯を食ったものとして、日揮グループを離れてもなお継続して繋がり、いつしか協働・協創できることが、この活動の目指す姿です。
引き続き日揮グループアルムナイの皆様には日揮を母校だと思って立ち寄っていただければと思います。
プロジェクトを生業にしている我々は有期有限の仕事に慣れており、このような継続的な活動は得意ではありません。
だからこそ組織として志をどう保つのかというところに力点を置き、年1回のEcho-Day、コミュニティサイトの継続的な活動という緩く長い活動を意識しております。
最後に、ハッカズークの皆様、日揮グループのアルムナイ・理解いただいた役員・社員・進めてくれている有志事務局に感謝いたします。ありがとうございました。

パーソルキャリア株式会社

【概要】ミッションである『人々に「はたらく」を自分のものにする力を』をアルムナイに対しても同様に捉え、雇用・業務委託の提供機会や仕事/キャリアの向上に繋がる情報提供やアルムナイ同士の交流促進を図りたいと考えアルムナイネットワークを設立。
設立初期に様々なコンテンツを提供したほか、インフォグラフィックを用いた心理的安全性の向上などのコミュニケーション活発化施策や、アルムナイ専用の業務委託案件提供なども実施。
その結果、業務委託や再雇用、アルムナイによる社員のメンターなど様々な成果が生まれている。

【評価】パーソルキャリアのミッションである『人々に「はたらく」を自分のものにする力を』をアルムナイにおいても体現されており、「はたらく」を主軸とする事業・サービスの説得性にもつながっており、パーソルキャリアらしさが発揮されている点を評価。

【受賞企業コメント】この度は「志のデザイン部門」にて最優秀賞に選出いただき、大変嬉しく光栄に思っております。
パーソルキャリアは「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションを掲げ、その人らしい「はたらく」を自らの意志と行動でつくることができる、キャリアオーナーシップあふれる社会の創造を目指しています。
それは、現役社員はもちろんのこと、当社を退職した元社員(アルムナイ)に対しても同様に、一人ひとりがキャリアオーナーシップを高め続け、その考えや行動を周囲へ伝播する存在となることを期待しています。
アルムナイコミュニティでは、当社のミッションと紐づけ、当社とアルムナイのみならず、アルムナイ同士の関係構築が出来る場を提供し、キャリアオーナーシップを高めることに繋がる情報や機会の提供を行っております。
今後も、アルムナイのニーズを拾い上げ、当社とアルムナイとの価値ある関係を築いていけるよう精進してまいります。

部門別最優秀賞:イノベーション創出部門  

アルムナイネットワークによって生まれた、これまでにない成果や、プロセス、ネットワークを通じて生まれた多様性を表彰します。

住友商事株式会社 SC Alumni Network

【概要】アルムナイとの協業を生むために、ネットワークを活用して現役社員と繋がる施策を推進している。具体的な取り組みとして、会社からのメッセージの発信・現役社員との交流機会づくり・アルムナイの近況を現役社員への発信・イノベーションスペースをアルムナイへ開放するなどしている。 その結果、住友商事の掲げている「次世代成長戦略テーマ」の一つであるヘルスケアの分野において、起業したアルムナイと小児向けVR弱視治療用アプリの共同開発が実現した。

【評価】アルムナイと社員とのつながりを多くの企業がリスクとして懸念している中で、社員とアルムナイが接点を作る仕組みができている。
実績として企業とアルムナイの事業連携が実現しており、今後もイノベーションが生まれ続ける可能性を感じられる。

【受賞企業コメント】第3回ジャパン・アルムナイ・アワード イノベーション創出部門 最優秀賞に選出いただきありがとうございます。2019年4月にアルムナイ組織を立ち上げてから5年、会社や会社で働く従業員を取巻く環境は大きく変わり続けています。この変化の激しい時代の中でも、新たな価値を創造し、成長を続けていくための工夫の1つがアルムナイとの協業だと考えています。アルムナイとしても、自身のやりたいことが様々な事情で当社内では実現できない等で退職はするものの、それまでに培った関係性が失われるのは大きな損失です。この点に注目し育んできた緩やかなネットワークが、複数の協業案件が生まれるきっかけになっているのは、それぞれの得意分野を組み合わせて、win-winの関係に発展させていくことを得意とする総合商社の当社ならではかもしれません。とはいえ手探りしながらの日々であり、試行錯誤の当社取組みが各社様の参考になれば幸いです。

三井住友海上火災保険株式会社

【概要】事業ポートフォリオの変革期を迎え、新たなビジネスアイデアを創造・推進するために、異なる視野や多様な価値観が必要と考え、アルムナイネットワークを設立。
これまでに、再雇用、社内ビジネスコンテストへの協力、ビジネス連携など具体的な成果が生まれている。
その他にも、転職先とのカルチャーギャップや、変えた方が良い点「ここが変だよ三井住友海上」を受け付け、寄せられた意見を制度改定や企画検討に活かし、カルチャー変革につなげている。

【評価】新規のビジネスを創出するために、社外からの視点や多様な価値観を活かしている。 「ビジネスコンテストでのアルムナイの助言」、「アルムナイ2名とのビジネス連携の実現」など着実にステップを登り、イノベーション創出を実現している。

【受賞企業コメント】この度、ジャパン・アルムナイ・アワード2023、イノベーション創出部門にて最優秀賞をいただきましたこと、大変光栄に思います。
当社がMSビジネスネットワークを立ち上げてちょうど1年が経つのですが、この1年の間に、感度の高い、多様な知見・経験を持ったアルムナイが、約350人もネットワークに登録してくれました。
積極的な情報交換を通じて、ビジネス連携や副業・兼業、また、自身の活躍の舞台として改めて当社を選択してくれるメンバーも生まれています。
我々が目指す「未来にわたって、世界のリスク・課題の解決でリーダーシップを発揮するイノベーション企業」としての姿に徐々に近付いていることを実感していますし、アルムナイと現役社員、双方向のポジティブな影響を生み出していく基盤として、このネットワークを更に活性化させ、三井住友海上を「働きたい企業」NO.1にすることに繋げていきたいです。

部門別最優秀賞:カルチャー変革部門

アルムナイネットワークの取り組みを継続した結果、組織に文化として影響を与えている取り組みについて表彰します。

トヨタ自動車株式会社

【概要】退職後も関係を維持することによって、アルムナイの多様な経験やスキル・価値観を企業活動に反映すると共に、社員にとっては社外との交流による新たな学びや自律的なキャリアに繋げることを目指している。
 設立当初はアルムナイの取り組みによって社外への遠心力が強まる懸念もあったが、アルムナイからの声はトヨタに対する求心力の高さを感じることが多く、多くのアルムナイが退職後もトヨタを応援してくれている。
また、現役社員からも「プラットフォームに参加して、何らかの価値創出に繋げたい」と声が挙がっている。退職時のアンケートも、「こんな観点で退職者の意見をもらいたい」と意見がある等、退職者に真摯に向き合い組織改善に繋げていこうというマインドの変化が生まれている。

【評価】トヨタ自動車という大組織の中で、当時入社7年までの若手社員が推進しているという取り組み自体を高く評価。さらにこの取り組みからトヨタの求心力を改めて若手が感じ、組織の力を高め学びの場になっている。
オフボーディング改善も実施しており、退職される方のキャリアも尊重していくことで、カルチャー変革を体現している。

【受賞企業コメント】

この度はご選出いただき、誠にありがとうございます。 
アルムナイの構想を練り始めた頃は、社外に公表できるような取組みになるか、社内の理解が得られるか等、不安は尽きませんでしたが、このような光栄な賞を頂き、メンバー一同大変嬉しく思います。 
地道に活動を続けてこられたのは、社内外問わずサポート頂いたすべての関係者の皆さまと、何よりも退職後も弊社に関心を寄せていただき、前向きに協力くださるトヨタアルムナイの方々の存在があったためです。この場をお借りして感謝申し上げます。 
トヨタはモビリティカンパニーへの変革に向け、多様な経験や個性を持つ人材が、失敗を恐れず挑戦し続けられる組織を目指しています。採用や組織改善を皮切りに、多様な人材が集まるアルムナイが、1企業の枠を超え共に挑戦し、価値を創出していくプラットフォームとなることを目指しています。 
まだ走り始めた所ですが、今回の受賞は今後への期待と受止め、精進して参ります! 

KPMGコンサルティング株式会社

【概要】「人を大切にするナンバーワンファーム」として、トップオーナーシップのもと、社員がプロフェッショナルとして長期的に働ける職場環境づくりや、お互いをリスペクトし成長しようとする文化・風土づくりに一貫して取り組んできた。
その結果、アルムナイネットワークへの登録数は年々増加し、取り組み開始から2年弱で45名の再入社が実現している。

【評価】社外も含めた中長期的なキャリア形成を尊重する文化が浸透している。創業から現在までの退職者において高い登録率となっており、結果として再雇用も多く生まれている。
アルムナイに取り組むことがダイバーシティと捉えられている中、同社にとっては特別なことではなくアルムナイは組織の一部になっている。それが企業文化となっている。

【受賞企業コメント】立ち上げから約2年、アルムナイ同士がつながりコラボレーションを行える温かいコミュニティを目指して取り組んでいる中、このような素晴らしい賞を頂けたことを非常に光栄に思います。
KPMGコンサルティングは、「人を大切にするナンバーワンファーム」を目指し、トップオーナーシップのもと、時間と場所を自由にデザインできる柔軟なワークスタイル、海外研修を含む充実したキャリア支援プログラム、男女ともに育休取得率100%の実現、社員同士で送り合うThanksポイントなど、制度・施策の整備やカルチャー醸成の両面でウェルビーイング推進に向き合っています。
今後も、当社とともに歩む仲間として、卒業生一人ひとりのキャリア・ライフのさらなる支援に向け、引き続きアルムナイとともに発展してまいります。

株式会社マルハン東日本カンパニー

【概要】「社員のキャリア支援」と「社外から見た業界を客観視する機会を得ること」を目的に、アルムナイネットワークを設立した。 人材流出のリスクを理解しながらも、「仮に退職しても、いつかお互い成長した姿で仕事ができれば」という長期視点を持ち活動している。 その結果、社員が自身の可能性を広げて学びの機会を得るために、アルムナイが設立・運営するレストランに出向・転籍する事例が生まれた。 また、アルムナイの職場へ社員が副業として勤務したり、調達先を紹介したり、アルムナイプロデュース商品を子会社へ紹介するなど、様々なビジネス連携も生まれている。

【評価】アルムナイの起業先・転職先に現役社員が出向・転籍をし、学びを得るといった取り組みのダイナミックさを高く評価。
在籍当時のままの関係性を現役社員もアルムナイも楽しみ、自然発生的に交流が生まれておりカルチャー変革の兆しが見えている点も評価。

【受賞企業コメント】ジャパン・アルムナイ・アワード「カルチャー変革部門 最優秀賞」の受賞を心より感謝申し上げます。設立2年目は、順調に登録数が増加しており、「社内外の認知」から「組織の価値向上」へ移行させました。具体的には、アルムナイ勤務先への副業、出向、転籍を通じたキャリア形成、企業の新陳代謝促進、アルムナイ起案によるビジネス連携など、様々な施策を推進させる事が出来ました。
この施策実現の背景には、1997年から550日間かけて全従業員で創り上げた「マルハンイズム」という考え方が大いに影響しています。20年以上経つ今も、在籍社員だけでなくアルムナイにおいても考え方や行動の軸となっており、共通の価値観や言語を持てている事で、各施策を前に進める事が出来ています。
最後に、この受賞に向けてご協力いただいたすべての方々に心から感謝申し上げます。今後も在籍社員とアルムナイコミュニティとの結びつきを一層深め、価値を高めていきます。

部門別優秀賞:志のデザイン部門

レジェンダグループ

【概要】アルムナイネットワーク設立以前から自然にアルムナイとつながっていたが、より交流を活発にするために「レジェンダアルムナイ」を設立した。
あえて明確な成果をゴールに設定せず、アルムナイとレジェンダがウェットな繋がりを持ち、自由に交流を行う中で自然に価値が生まれる場を作ることを志向している。
その結果、1/3が社員であるウェットなネットワークを構築できた他、社員がアルムナイに相談する・アルムナイが社員とカジュアルな交流を継続する等の成果が生まれている。

【評価】アルムナイとウェットな繋がりを持ち、交流の中で自然に価値が生まれる場を作ることを志向している点が、企業バリューの「協働」「個の尊重」を体現するネットワークを構築している点を評価。

横河電機株式会社

【概要】社内プロジェクトをきっかけに「退職してもポジティブに会社と繋がるアルムナイ・ネットワーク」を構想し、アルムナイと会社がWin-Winの関係性を築くことを目指して2022年3月に設立した。
アルムナイ同士の情報発信や交換の場づくり・イベント実施に加え、社員へ主体的なキャリアを考える機会を提供することを目的に、社内ポータルに活動発信やインタビュー配信を行う専用ページを開設した。
社内の理解促進や送り出し文化形成につながっており、退職後も良好な関係が維持されている。

【評価】「人材確保を主目的とせず、社員とアルムナイを含めた社外の垣根をなくす」というパーパスが組織文化に浸透しており、思想から運営まで一貫性を持った取り組みをしている点を評価。

明光義塾

【概要】ネットワーク立ち上げ当初は、再雇用を目的として会社が運営をしていたが、講師間の交流が教室を超えて生まれず、コミュニティが活性化せずMAUも停滞していた。
そこで、有志3名の卒業講師を中心とする運営体制に変え、組織のあるべき姿や目指す状態・活動内容を再定義したところ、MAUが25%上昇した。
さらに、卒業講師や現役講師に対するキャリア支援も実施し、パーパスである“「やればできる」の記憶をつくる”を起点に、良好な関係性を保ち、お互いに成長し続けられる組織づくりを行っている。

【評価】有志の講師アルムナイが運営の主体とする運用はオリジナリティがあり非正規雇用の方が集まるアルムナイネットワークのモデルとなる取り組みを推進していることを評価。

en友会

【概要】心に絶えぬ火を、生き様に確固たる志を、日本を変革する力を」をミッションに定め、学生主体のNPO団体en-courageを卒業した若手層をメインターゲットに、“社会人のキャリア大学”として設立した。
設立当初1年ほどは、卒業後の関係が軽薄化することを防ぐコミュニティとして運営していたが、参加者の多くは強い参加動機を持っていなかったため、イベント集客も難航した。そこで、コミュニティのMVVをトップダウンで設計し、参加者の求めるニーズを追及した。それにより、繋がりの形成に加え、キャリア開発や事業開発、営業、ファイナンス等、新しいスキルを形成する機会などを提供し、現在多くの方に参加してもらっている。

【評価】自身と他人のキャリアに向き合ってきた学生時代の志を維持し続けられる社会人のキャリア大学として発足し、キャリアゼミやビジネスプランコンテスト形式のゼミなどの運営も開始している点を評価。

ニッセイ情報テクノロジー株式会社

【概要】人材の流動性が高いIT業界において、「卒業後も仲間である」という想いから当ネットワークを立ち上げた。アルムナイ・ネットワーク内で様々な情報提供や社内周知を行う中で、社内外に設立時の思いが浸透し、設立からおよそ1年の間に3名が再入社した。再入社者は外部で得た知識・スキル・リーダーシップを活用してこれまで以上に活躍しており、社員にもよい刺激となっている。

【評価】再入社者が社外の知見を活かし活躍しており、「戻りやすい環境であった」という声もあがっている。社内全体に再入社者を受け入れる文化が根付いており、社内での退職者に対する意識改革が浸透している点を評価。

株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント

【概要】JAC Groupの元社員・現役社員をつなぎ、個々の成長を促し、社会の発展に寄与することを目的として、アルムナイネットワークを設立した。アルムナイ間の個別情報交換の場やビジネス創出の風土作りが出来たことに加え、イベントでの交流をきっかけとして、アルムナイ同士の個別でのビジネス創出や協業も生まれている。
さらに、事務局担当は社内の異なる部署から自発的に集まっており、社内交流の促進やビジネス創出につながっている。

【評価】業界特性に合わせて実施してる企業内人事を集めた小規模イベントや情報交換などを通じてビジネス協業などが生まれており、経営理念である「志をつなぐ」を体現している点を評価。

部門別優秀賞:イノベーション創出部門

中外製薬株式会社

【概要】今年からグループ4社へのアルムナイ制度の展開により、さらに多様なバックグラウンドを持つアルムナイが集うコミュニティを形成している。また、ニーズや期待値が異なるアルムナイが、各々に心地よく参加できる場を意識したコミュニティを運営。

その結果、交流に加え、再入社やアルムナイ同士の人脈・知見の獲得などビジネス上のつながりも生まれている。

【評価】会社のミッションステートメントである「ヘルスケア産業のトップイノベーターを目指す」と連動した取り組みとしてグループ全体にも発展し、ビジネスの繋がりなど様々なアルムナイの異なるニーズを満たすコミュニティ運営を継続している点を評価。

株式会社臨海

【概要】「退職へのネガティブな概念を変えたい」「会社ビジョンと連動して中長期的に取り組み、結果として会社の利益・価値創出につながたい」という想いから、アルムナイネットワークを設立した。
その想いをアルムナイに丁寧に伝えたことにより、「臨海のために何かしたい」というアルムナイの主体的な協力が得られ、学生向けイベントや社員向けイベントでのアルムナイ登壇などの企画が実現した。その結果、ブランディング向上や社員の意欲向上につながっている。

【評価】

会社のビジョンとも連動し、会社としてコミットしているからこそ、中長期的な取り組みとしてアルムナイへ丁寧なコミュニケーションが取られている。それにより、アルムナイの共感を得て、ネットワークへの能動的な参画を生んでいる点が他の手本となる。
それに加え、ブランディングなどの具体的な価値創出につながっている点も評価。

AKKODiSコンサルティング株式会社

【概要】ネットワーク設立当初からの狙いだったアルムナイとのビジネス連携を、地域活性ビジネスで実現した。
アルムナイの企業が広報や企画を担当し、AKKODiSがシステム・デジタル関連を担当するなど、互いの強みを生かした連携によりシナジーを創出している。
同じ企業に属していた経験から、考え方の根幹が共有されていることでスムーズな連携が実現出来た。

【評価】同じ会社にいたからこそ有する共通の価値観による連携のスムーズさと、社外で得た異なる経験や強みというアルムナイネットワークならではのシナジーを活かしたコラボレーションである点を評価。設立当初からの狙いであるビジネス連携を達成した点も評価。

部門別優秀賞:カルチャー変革部門

株式会社ドリームインキュベータ

【概要】アルムナイの中から、起業家やメガベンチャーのCxOなどに登壇いただくオンライントークセッション『DIalog』を継続して開催している。2023年7月には、三宅現社長と山川前社長による”新旧社長対談”が実現。社員とアルムナイ総勢120名が参加した。
ネットワークを通じてアルムナイ・現役社員・会社にとって「三方良し」の関係を目指し、アルムナイへの業務委託・プロジェクトでの協働・事業投資先の幹部登用・研修講師への起用など様々な形でコラボレーションを実現している。

【評価】発足当初は社内で理解を得ることすら容易ではなかったところから、今では新旧社長が対談できるまで風土が変革したことを評価。
アルムナイの取り組みを継続することによって、「真のビジネスプロデューサー輩出企業」として進化を続けている。

個人部門 奨励賞

岡田美紀子(所属アルムナイ組織:GE HRアルムナイ)

【概要】GE HRアルムナイは任意の集まりとして、毎年、同窓会企画運営チームをボランティアで集めて、年1回同窓会を企画運営していた。 GE HRアルムナイは多方面で活躍されている方が多いため、アルムナイ同士の世代を超えた繋がりや、同窓会以外にも価値のある場を作ることが有効と考え、岡田さんが2019年にコミュニティを立ち上げ、4年間運用を継続している。アルムナイからの告知、meet upの開催、相談する場を作るなど、コミュニティマネージャーとして活動をしている。

【評価】個人としての繋がりだけでなく、専門性の高いアルムナイの知見を共有することによって社会に生み出される価値も広がるという高い視座を持ってコミュニティを立ち上げている。また4年間、個人が継続して取り組み続けていることを高く評価。

木下 瞳(所属アルムナイ組織:みずほフィナンシャルグループ)

【概要】木下さんの強みであるイベント企画力と行動力を活かし、アルムナイネットワーク活性化のコアとなる「アルムナイ×社員」のコラボイベントの企画・推進を担っている。ERG(社員リソースグループ)の人脈を活かし、幅広い分野・領域で活躍する登壇者を集めることに尽力したことで、直近のイベントでは、約400名という多くの参加者の呼び込みに成功。加えて、参加者の95%近くがアンケートにて10点満点中9点をつける非常に満足度の高いイベントを開催している。

【評価】アルムナイと自身も交流をしていく中で、社内外との関係構築から得られる刺激・成長を原体験に、多くの方を巻き込み社内・社外への理解促進を促す行動力を高く評価。

大澤 恵(所属アルムナイ組織:みずほフィナンシャルグループ)

【概要】大澤さんのこれまでのキャリア(法人営業および企画業務)、そこで培った社内外の関係構築力や情報収集力、計画策定に基づく実行力、人脈を活かし、アルムナイに対してニーズや課題のヒアリングを積極的に実施。ヒアリングしたニーズに基づき、ビジネス連携・協業の仕組みづくりに挑戦。また、アルムナイ同士の案件募集〜マッチングトライアルを皮切りに「アルムナイ×みずほグループ傘下VC」を繋ぐ窓口も開設。

【評価】「その企業でのキャリアがあったからこそ、成長した今の自分がある」と思ってもらえるような良好な関係性を構築し、双方にとってのビジネス機会の創出していきたいという想いの強さと推進力を高く評価。

堀口修吾

【概要】高校や複数の企業のアルムナイネットワークに参加。 「お世話になった組織・企業に恩返しをしたい」という思いと、退職後もつながり続けてくれた方々との関係性により多数の貢献事例が生まれた。 JACアルムナイにおいては、交流会に企画段階から参加し人材サービス職・人事職の方との接点を創出し、JACが関西の人事ネットワークのハブになる基礎をつくることに助力。 レジェンダアルムナイにおいては、在籍時に担当していた業務のサポートや、継続的にビジネス連携に繋げるなど貢献している。その他にも多数の貢献事例がある。

【評価】「恩返しをしたい」という思いと、継続的関係構築により具体的な貢献事例が複数生まれている点を評価。
アルムナイと企業、アルムナイと個人の関係構築・貢献における模範的「型」となる点も評価。

審査について

表彰対象

  • 自社のアルムナイと良好な関係性を築き、価値に繋がる取り組みを推進している企業・団体
  • 過去在籍した企業・団体、もしくはアルムナイ同士で良好な関係を築いて、価値に繋がる取り組みを推進している個人

※自薦・他薦は問いません(他薦の場合は事務局より推薦対象の方ないし企業・団体に公表の可否確認を行います)

応募条件

  • 日本国内に事業所を有すること
  • 応募時点までの過去3年間において、労働関連法に関して重大な違反がないこと
  • 反社会的な勢力とのつながりなど、社会通念上、表彰にふさわしくないと判断される問題がないこと

※表彰の目的を損なうような行為もしくは虚偽の記載等があった場合、応募を無効又は受賞を取り消すことがあります。

応募テーマ・評価のポイント

企業表彰:志のデザイン部門

企業や団体の経営方針や人事戦略とアルムナイの取り組みへの繋がり、これまでのアルムナイネットワークにはない、パーパスやビジョンを掲げて取り組んでいる企業を表彰します。

  • 設立目的、設立プロセス、立ち上げプロセス、経営戦略・人事戦略との一貫性
  • ネットワークデザインの一貫性や斬新性

企業表彰:イノベーション創出部門  

アルムナイネットワークによって生まれた、これまでにない成果や、プロセス、ネットワークを通じて生まれた多様性を表彰します。

  • 成果創出の持続性
  • 成果創出に繋がるプロセス
  • 成果の斬新性

企業表彰:カルチャー変革部門

アルムナイネットワークの取り組みを継続した結果、組織に文化として影響を与えている取り組みについて表彰します。

  • 再入社者の活躍
  • 組織文化の変化(脱裏切り者文化・社員の退職者や再入社者に対する意識の変化)、組織外の方との交流
  • 人材ポートフォリオ、D&Iへの展開

お問い合わせ先

ジャパン・アルムナイ・アワード実行委員会 事務局

E-Mail:japan.alumni.award@hackazouk.com

ジャパン・アルムナイ・アワード実行委員会について

ジャパン・アルムナイ・アワード実行委員会は、日本から人と組織の未来を創るプロジェクトとして、株式会社ハッカズークとアルムナイ研究所が運営母体となり発足しました。本アワードの企画・運営を行います。